Kデスクトップ環境

3.5. フィルタ

しばらく Kmail を使っていると、あなたは、メッセージが到着した時に、 inbox フォルダ内で新規なメッセージを並び替えるのに困るかもしれません。 フィルタを使えば、到着したメッセージに対して自動的にあるアクションを実行することができますし、 あるフォルダ内において選択されたメッセージに対して手動でアクションを実行することもできます。

フィルタルール ウインドウ内のアクションを設定する部分では、 一つのフィルタに対して8つのアクションを規定することができます。 リスト内における残りのアクションをスキップするために、オプションとして、"ここ以下の設定は無視"を使うこともできます。 現在、「転送」と「ここ以下の設定は無視」のアクションのみが同時にサポートされていますが、 将来リリースされる Kmail では、アクションについてより多くの選択肢を用意する予定です。

通常、フィルタは到着メッセージに対して適用されますが、その他のメッセージまたはメッセージ群に対しても適用することができます。 あるメッセージフォルダ内のメッセージを選択的にフィルタリングするためには、 フィルタリングしたいメッセージを選択し、Ctrl-Jとタイプするか、 「メッセージ」 | 「フィルタ適用」 を選択するかしてください。ここで、選択されたメッセージには、あなたの規定した全てのフィルタが適用されることに注意してください。 あるフィルタだけを適用するということはできません。

あるフィルタを削除したくなったら、 フィルタルール ウインドウにおいて、削除したいフィルタを選択して 「削除」ボタンを押してください。

3.5.1. フィルタの例

私が KDE User List を購読していたとすると、私はそのメーリングリスト用のフォルダ (KDE-Userと呼ぶこととします)を作成し、それに応じたフィルタを用いることができます。 このフィルタは、新規に受信したメッセージがKDE Userメーリングリストから送られて来たものであれば、 その受信したメッセージを inbox フォルダから KDE-User フォルダに自動的に振り分ける、というものです。 このようなフィルタは次のようにして作成します。

  1. フィルタリングしたいメッセージを識別することができる固有の(ユニークな)方法を考えます。 私が購読するKDE Userメーリングリストのメッセージ固有の特徴は、それらが常に To: フィールドに "KDE User List" という文字列を含んでいるということです。もし、より多くの特徴を必要とするのなら、 KDE UserメーリングリストのEメールアドレスを使うこともできます。

  2. ファイル」メニューから 「フィルタ」を選択します。

  3. 新規」 ボタンを押して、空のフィルタを作成します。

  4. リストから空のフィルタを選択します(そのフィルタは、一対の不等号記号 <> として表されています。)。

  5. フィルタウインドウの右側には、2つのセクションがあります。判定基準を規定する部分とアクションを規定する部分です。 判定基準を規定する部分では、第1のプルダウンメニュー(左側のプルダウンメニュー)から「To」を選択し、 第2のプルダウンメニュー(右側のプルダウンメニュー)から「含む」を選択し、 更に、テキストフィールドに "KDE User List" と入力します。

  6. アクションを規定する部分に移動します。第1のプルダウンメニューから「振り分け」を選択します。 すると、フォルダのリストを含む新しいプルダウンメニューが表示されます。 そこで、あなたの選んだ判定基準にマッチしたメッセージがあった場合に、 そのフィルタリングされたメッセージが移動されるべきフォルダを選択します。 例えば、あなたは、プルダウンメニューから "KDE-User" フォルダを選択することができます。

  7. 次のプルダウンメニューで、「ここ以下の設定は無視」を選択します。

  8. 新規なフィルタを保存して実行可能とするために、 「確認」 ボタンを押します。 これで、「フィルタルール」ウインドウは消えるでしょう。

より複雑な設定をすれば、より確実にメッセージをフィルタリングすることができます。 例えば、KDE Userメーリングリストのメッセージの内、あなたの友人の Fred Johnson <fj@anywhere.com> により書かれたメッセージだけを保存したいとう場合もあるかもしれません。 この場合、判定基準を規定する部分の残りの部分に対して、次のようにして規定を追加すればいいでしょう。

  1. フィルタルールウインドウを開き、先程作成したフィルタを選択します。

  2. To:」 フィールドに"KDE User List" という文字列を含むメッセージであって、且つ、Fredからのメッセージをフィルタリングしたいので、 2つの判定基準を規定する部分の間にあるプルダウンメニューから「かつ」オプションを選択します。

  3. ここで、下側の判定基準を規定する部分で、プルダウンメニューから、 「From:」 と 「含む」 を選択します。 そして、テキストフィールドに "fj@anywhere.com" とタイプします。

  4. 次のプルダウンメニューで、「ここ以下の設定は無視」 を選択します。

これで、あなたは、投稿者がFred Johnsonである全ての KDE User List のメッセージを振り分けることのできるフィルタを作成することができました。